ジェットセットサクラ

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2013.04.09 Tue 青い種

暖かい陽気。

春の日差しを受けながら
父と娘が庭仕事をしていました。

しゃき しゃき

花の種が入っている袋をハサミで開けます。

ぱら ぱら

袋から種を取り出します。

単調な作業ですが

この小さな種の1つぶ1つぶが
やがて大きな花になるのだろう、と思うと

胸に満たされるものがあり
心も温かくなるような気分。

ぱら ぱら

いくつか種の入った袋を開けていくと

たくさんの種の中に1つだけ
青い種が混じっていました。

そこにあるのが場違いのような禍々しい青さ。

私は手のひらに青い種を乗せると
「これも種?」と父に尋ねました。

父は私の手のひらの青い種を見ると、笑って
「それはゴミだよ。袋の中に種と混じってゴミが入ることがある。
よくあることだよ」と答えました。

私は父の答えに納得しながらも

じー

っと青い種を眺めているうちに
思い立って聞きました。

「お父さん、これ鉢植えにしても良い?」

父は苦笑いをしながら「無駄なことはやめた方が良い」と言いました。

しかし、私は首を横に振って答えました。

「私は、この青い種からどんな芽が出てくるのか
どんな花が咲くのかを想像して楽しむことができます。
無駄ではないでしょう?これは遊び心です」

それを聞いた父は深くうなずいて言いました。

「遊び心は大事だね。ではその種を植える鉢を用意しよう。
水は自分でやるようにね」

「ありがとう、お父さん」

それから毎日、私は青い種に水を与え続けました。


1週間後


鉢植えから大きな芽が出てきました。

「お父さん、お父さん。芽が出てきたよ」
私はハシャギながら父に鉢植えを見せました。

父は驚いた様子もなく、鉢植えを覗き込むと
「残念だけど、これは雑草だね」
と言うと芽を引き抜きました。

青い種は、やはりプラスチックの欠片らしく
芽を出すことなく土の中にありました。

けれど、父と娘はがっかりすることもなく

そういうものだろう

と、満足したのでした。


過去ブログより再掲



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